新型コロナウイルスの感染拡大にともない、テレワークがとても注目されています。
これまでも働き方改革の一つとして注目されてきたテレワークですが、大企業ではすでに導入しているところも多く、社員のワークライフバランスや職場への定着率の向上につながっています。

企業としてはテレワークの導入を検討する際に、大きな課題となるのはテレワークを行うための環境整備ではないでしょうか?
本格的に導入しようとすると、高額な費用が必要となります。

そこで厚生労働省や経済産業省などが管轄する、テレワークのための助成金制度を上手に活用することで、コストの負担を軽減することができます。
導入を検討している企業の方に活用していただきたい、テレワークの助成金5つをご紹介します。

1.【厚生労働省】働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)

厚生労働省が働き方改革推進の一環として、テレワークにかかる費用の一部を助成する制度です。
この助成金は、時間外労働の制限やその他の労働時間等の改善や、ライフワークバランス推進のために、テレワークに取り組む中小企業事業主に対して実施にかかった費用の一部を助成するというものです。

支給対象事業主

支給対象となる事業主は、次のいずれにも該当する事業主です。
(1)労働災害補償保険の適用事業主であること
(2)次のいずれかに該当する事業主であること

業種
資本または出資額
常時雇用する労働者
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

(3)テレワークを新規で導入する事業主であること
※試行的に導入している事業主も対象、テレワークを継続して活用する事業主であること

支給額

支給対象となる取り組みの実施に要した経費の一部を、目標達成状況に応じて支給されます。
<対象経費>
謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費、委託費

<助成額>
対象経費の合計額×補助率

<成果目標>

達成
未達成
補助率3/41/2
1人あたりの上限額40万円20万円
1企業あたりの上限額300万円200万円

成果目標の詳細は、厚生労働省ホームページをご参照下さい。

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/telework_10026.html

2.【経済産業省】IT導入補助金2020(特別枠)


IT導入補助金の特別枠(C類型)は、新型コロナウイルス感染症の対策や感染拡大防止に向け、テレワーク導入の環境整備などに取り組む事業者を優先的に支援するために創設されました。

補助対象者

補助対象となるのは、以下の条件にあてはまる中小企業です。

業種・組織形態
資本の額又は
出資の総額
従業員(常勤)
製造業、建設業、運輸業3億円300人
サービス業(ソフトウェ業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業3億円900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

※資本金・従業員規模の一方が、上記以下の場合対象(個人事業含む)

<その他の法人>

業種・組織形態
資本の額又は
出資の総額
従業員(常勤)
医療法人、社会福祉法人、学校法人300人
商工会・都道府県商工会連合及び商工会議所100人
小売業50人
中小企業支援法第1項第4条に規定される中小企業団体主たる業種に記載の従業員規模
特別の法律によって設立された組合またはその連合会主たる業種に記載の従業員規模
財団法人(一般・公益)、
社団法人(一般・公益)

主たる業種に記載の従業員規模
特定非営利活動法人主たる業種に記載の従業員規模

<小規模事業者>

業種分類
従業員(常勤)
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

補助金の補助率と下限額・上限額

補助金の対象となるのは、ソフトウェア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費です。

補助率は2/3以内、補助下限額・上限額は30万~450万円です。

一般社団法人サービスデザイン推進協議会:https://www.it-hojo.jp/inquiry/

3.【東京都】事業継続緊急対策(テレワーク)助成金

事業継続緊急対策助成金は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止や緊急時における企業の事業継続対策として、テレワークを導入する都内の中堅・中小企業等に対し、必要な機器及びソフトウェア等の経費を助成する制度です。

助成対象事業者

1.常時雇用する労働者が2名以上999名以下で、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業
2.都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること
「2020TDM推進プロジェクト」:https://2020tdm.tokyo/

助成金の助成率と上限額

助成率は10/10、かかった費用全額が補助されます。
ただし補助上限額は、250万円です。

助成対象となる経費は、以下のとおりです。
1.機器等の購入費(例:パソコン、タブレット、VPNルーター)
2.機器の設置・設定費 (例:VPNルーター等機器の設置・設定作業費)
3.保守委託等の業務委託料(例:機器の保守費用)
4.導入機器等の導入時運用サポート費(例:導入機器等の操作説明マニュアル作成費)
5.機器のリース料(例:パソコン等リース料金)
6.クラウドサービス等ツール利用料(例:コミュニケーションツール使用料)

東京しごと財団:https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/kinkyutaisaku.html

4.【東京都】テレワーク導入モデル体験事業


テレワーク導入モデル体験事業は、テレワークを検討している中堅・中小企業を対象とし1ヶ月間無償でテレワークが体験できる端末を貸与し、そのメリットや効果を体験してもらうという事業です。

テレワークのイメージがつかない企業にとっては、実際にテレワークを導入するとどのように業務が行うことができるのかを体験することができます。

対象企業要件・利用対象者

対象企業要件は以下のとおりです。
1.新たにテレワークを導入しようとする企業であること
・就業規則にテレワークに関する規定がないこと
・東京都や国が実施しているテレワークの導入等を目的とした補助金の交付決定を受けていないこと

2.都内で事業を営んでいる中堅・中小企業等であること
・常時雇用する労働者が2人以上999人以下であること

利用対象者要件は、都内の事業所に勤務していることです。

テレワーク機器貸与期間

この事業は、1ヶ月間無料でテレワーク機器が貸与されます。
申し込み期限は令和2年7月31日までとなっています。

機器の貸与だけではなく、機器の設定や使い方のレクチャーも受けることができます。

東京都テレワーク推進センター:https://tokyo-telework.jp/lp/try2020/index.html

5.【東京都】働き方改革宣言奨励金


働き方改革宣言奨励金制度は、企業等に対し働き方・休み方の改善に係る経費を助成することにより、働き方改革を推進することを目的としています。

対象事業者

都内で事業を営む中小企業等
※都内に勤務する常時雇用する労働者を2人以上、かつ6ヶ月以上継続して雇用していること、申請時に就業規則を作成して労働基準監督署に届出を行っていることなど、その他の要件があります。

奨励事業

奨励事業は2つに分かれます。

一つは、「働き方改革宣言事業」です。これは、必須事業となっています。
雇用する正社員の働き方・休み方について、1~4のすべてを実施していなければいけません。
1.長時間労働の削減、年次有給休暇等の取得促進に向けた問題点の抽出
2.原因分析及び対策の方向の検討
3.目標及び取組内容の設定(働き方改革宣言の作成)
4.社内周知

二つ目は、「制度整備事業」です。
次のいずれも実施している必要があります。
1.「働き方の改善」または「休み方の改善」に定める制度について労使協定を締結する
2.締結した協定を踏まえ、制度内容を就業規則等に明文化する

奨励額

1.「働き方改革宣言事業」 30万円

2.「制度整備事業」
①働き方の改善に掲げる制度等を1つ以上整備…10万円
テレワーク制度または在宅勤務制度を導入した場合に10万円が加算されます。
テレワーク制度と在宅勤務制度を両方導入した場合でも加算額は10万円です。

②休み方の改善に掲げる制度等を1つ以上整備…10万円
③働き方の改善及び休み方の改善に掲げる制度等をいずれも1つ以上整備し、
合計5つ以上整備した場合…10万円

TOKYOはたらくネット:https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/hatarakikata/kaikaku/josei/index.html
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/hatarakikata/kaikaku/r2youkou.pdf

テレワークを導入したら研修でスキルを磨きましょう!

テレワークを検討している企業担当者の方に活用していただける5つの制度をご紹介しました。
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